ゲイの家づくり

with 三菱地所ホーム

2016年05月

いよいよ消費税増税は延期されそうな気配になってきました。
結果として、いまの政権では増税するすると言いながら、二度にわたって延期してるわけで、実際は増税したくないのがありありと出ています。

それも当然で、もともとアベノミクスの方向性としては、デフレ脱却による景気浮揚が成功すれば自ずと税収も伸びてくるというのが本旨でした。
しかし、それまで自民党自体が財政規律重視の政策をとっていたこと、前政権時に消費税増税に賛成していたこと、そして金融緩和で日銀による国債買い入れがマネタイズ(お札を刷って国債を相殺)しているという批判を回避するためなどの理由で、消費税増税はしますよというポーズを取らざるを得なくなっていたというのが実態でしょう。

ところがこれが思ってた以上にアベノミクスに負の影響を与えていたことは、ここまでの経過を見れば明らかです。
アベノミクスはなによりデフレスパイラルからの脱却を目指しました。デフレスパイラル下では、物の値段はだんだん下がる→不要不急の物は慌てて買わずにお金で持ってたほうが得→物を買わないので不景気に→不景気で所得減→物を買わないほうがいい、という循環が働きます。
これがインフレになると、物の値段はだんだん上がる→将来的に買う可能性が高ければ早く買ったほうがいい→物が売れるので好景気に→好景気で所得増→さらに物を買う余力増、という循環になるはずでした。
それが、ここで「数年後にはまた消費税増税ですよ」と予告されていると、たとえインフレでお金の価値が下がると理解していても3日で半分になるわけじゃないので、増税に備えてみんな貯蓄に走りがちなんですね。ここ20年くらい、使うより貯蓄しておくのが正解だったので、世間はもうそれに慣れきっていたというのも大きかったかもしれません。

要するに、片方でデフレからの脱却を掲げつつ、もう一方で景気の足を引っ張る政策を掲げてたわけで、これでは景気も回復するはずありません。
一部のエコノミストなどの予測では、日銀の金融緩和だけでも景気はかなり回復するはずでした。しかし、緩和によって市中に出たお金も、結局は政府の規制緩和が不十分だったせいで、新産業への投資などには向かわず、過去の負債の借り換えや、相変わらずの不動産投資に向かうだけで、結果としてマンションのプチバブルを引き起こした程度の効果しかありませんでした。

それでも、円安による企業収益の拡大などもあったので、リーマンショック後に38兆円まで落ち込んでいた税収は、2016年度には57兆円というバブル期並みまで回復してきています(うち消費税増税分は約6兆円)。
従って、景気浮揚がこのまま微速であれ継続すれば、消費税増税は短期的には不要となるはずで、このあたりはアベノミクスの見込み通りではあります。

ただ、アベノミクスによる景気回復のスタートダッシュに大きく寄与したのは、8%への消費税増税前の駆け込み需要でした。
特に住宅では、各種調査で、消費税増税前の購入者のじつに6割が、増税の決定で購入を早めた、あるいは迷っていた状態から購入へと決断したということが判明していたので、今回の10%への増税延期は、同じような状況を想定していた不動産業界には大きなダメージだろうと思います。
実際、最近の住宅展示場では、オリンピック特需で資材や人件費も高騰するので増税前に建ててしまわないと!というセールストークがあちこちで聞かれたという話もあります。今のところ、10%への増税はオリンピック直前なので、そのセールストーク自体の意味に変化はないでしょうが、今こそ!という語気の勢いは鈍りますよね。

東日本大震災からの住宅再建も一段落してるという説もある状況で、どれほど一般住宅の建築にオリンピックの影響があるのかもはっきりしませんし、一時期に比べると住宅メーカーの価格改定という話もそんなに聞かなくなってきました。
ここ2、3年はちょっと、戸建住宅市場は、不透明感を増しそうです。
 

住宅メーカーの中でも、高価格帯を得意にしている三菱地所ホームが、満を持してハイエンドブランド「ORDER GRAN」を展開することになり、駒沢ハウジングギャラリーにそのモデルハウスができたということで、時間があったので見に行ってきました。

ふつう、モデルハウスって、外から見て「わーすごーい」という感じにしておくと思いますが、このORDER GRANのモデルハウスはこうです。
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外からは見えません

よく高級住宅街にある、完全クローズド型になってます。
こういうのを建てたいと思ってる人からすると、他のモデルハウスと明らかに違ってるので、かなり訴求力あるだろうなという感じです。

中に入ってみると、コーナーがすべてR加工された珪藻土の壁や、海外製キッチン、「クライン・ダイサム・アーキテクツ」監修のインテリアなど、いかにも高級そうで、おしゃれな空間です。リビングの一部の天井が板張りになってるのですが、そこにあるエアロテックの吹出し口にも同じ素材のカバーがつけてあるという念の入れよう。
初めてモデルハウスに入った人や、初めて家を建てる人なら、一気に魅了されることでしょう。

しかしながら、ぼくらはもうすでに何度もモデルハウスに行き、家も建ててしまいました。そういう目で見ると、このモデルハウスの魅力も徐々に色あせてくるのです。
間取りをシンプルに説明すると、1階がLDK+和室。リビング階段が吹き抜けになっていて、2階に洗面+バスルームとそこにつながる主寝室、そして子ども部屋らしき部屋と書斎コーナーという構成です。
別に目新しくも何ともないですよね。

素敵だと思ったインテリアは、外部のデザイン監修ですし、キッチンも高級というだけで機能性や配置に特色はありません。木造で天井高3mを実現してるところは、特長だと思いますが、あとはまあお金さえかければどうとでもできることばかりで、生活提案的な間取りの工夫もなければ、これは三菱地所ホームでないとという部分もあるようには思えませんでした。
想定価格帯としては、坪単価150万~200万円ということで、まあそれならこんな感じになるんだろうねという程度のものです。

今までにないモデルハウスで、高級志向の設計事務所などが取っていた顧客をターゲットとしようという意気込みは理解できるし、施工やアフターサービスでのメリットから実際に競争力もあるだろうとは思います。
でも、今や全館空調も主要メーカーは各社とも対応可能になってる状況で、三菱地所ホームならではという魅力がこの程度では、果たしてこの先きちんと顧客に魅力を伝えていけるのかどうか、ちょっと疑問に感じられた新モデルハウスなのでした。


リビングの調光ロールスクリーン「ハナリ」は、色の選択肢もあったのですが、オーソドックスに白にしました。
この白、調光部を閉じてても外からの光がけっこう入ってきて明るいです。
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おかげで、しょっちゅう開けるのを忘れるのですが、こんなに明るいんだったら、夜は閉じてても中がまる見えなんじゃないか、と思って外から見てみました。
すると、確かによそよりも中の明かりは漏れてるのですが、中自体は見えませんでした。ぼくらの家はOの好みで、照明はけっこう多めというか、全体に明るめなのもあって、夜に見るとよそのお宅とはちょっと違った外観で面白かったです。

昼間は、ロールはおろしてるのですが、調光部は開いた状態にしています。
そうすると、掃き出し窓のレースのカーテンに比べると、ずいぶん外がはっきり見えるんです。これでまた、外から見たら見えてるんじゃないかと思って、裏へ回ってみたのですが、見えませんでした。
構造上は、レースのカーテンが二重にかけてるようになってるので、理屈としてはより見えにくくても当然なんですけどね。

白に決めるときには、ほかの色も見てみたのですが、たぶん窓枠と合わせてもおかしくないと思うので、あとは好みでしょうね。
壁紙が白だったので、合わないということはないだろうと思って白にしましたが、リビングなら自然光が入ってきても困らないので、閉じててもなんとなく開放感のある雰囲気は、なかなか良かったと思っています。
 

ぼくらはこれまでにマンションを2回購入していますが、別に資産家だとか遺産がドカドカ入ってきたとかはありません。普通にローンで購入してるしがないサラリーマンが、問題なく住み替えしてこれたのは、マンションの売却時に買値と同程度かそれ以上の価格で売れたからでしょう。
そこまで支払ってきたローンが無駄にならず、次の物件購入の頭金にできるというのは、自動的に貯金ができたようなもので、なかなかラッキーでした。

さすがに、一戸建てとなると建物の減価が早いので、そうはいかないでしょうが、「住んでる間さえ支障なくローンが払っていければ、住まなくなった時点でゼロ円の価値でもかまわない」とまでは思ってませんし、一般的にはそんな人はなかなかいませんよね。
できれば、もし急に引越さないといけなくなったときにはローンの残債を消せるくらいは返ってきてほしいし、最終的には売れば老人ホームの入居一時金になるくらいは手元に残ってほしい。もちろん、もっと高値なら言うことない。
そんな感じじゃないでしょうか。

ところが、一般的なマンションや一戸建てなどの居住用不動産の購入ガイドでは、最終的には価値がゼロ円となりかねないような、物件の選択を指南してるところがけっこうあるんですよ。
それは、物件の選択基準が「予算」のほうになってしまってるガイドです。
しかも「まずはどれくらいのローンが組めるのか考えましょう」どころか、「ローンがどれくらい組めるのかではなく、月額どのくらいまでの返済なら楽に生活していけるかで、予算を決めなくてはいけません」というところから入っていってることがあって、ビックリです。

もちろん、予算は大事ですし、ローン破綻を避けることも重要です。
でも、そこから考え始めるということは、たとえば通勤に便利なところは5,000万円以上するけど、楽なローンを考えると2,000万円台がいい。その予算で探すと、電車に乗る時間は30分だけど駅から徒歩20分のところのマンションしかないけどこれを買おう。ということになりかねません。
当然、そういう場所の中古マンションの需要は限られているので、いざ売ろうというときに、ローンの残債を抱えて売るに売れなくて右往左往ということになりかねません。

予算というのは、あくまで買うための予算であって、買うことが望ましいものがないときには、意味のない金額です。10円持ってタバコを買いに行ったけど、10円のタバコなんかなかったから、果物屋で痛んだリンゴが見切り品で10円だったからそれを買って帰ってきた。なんてことは、不動産の場合はするべきではないのです。

じゃあ、何を基準に考えるべきかというと、自分たちが欲しいと思う物件、必要な条件を備えた物件です。
もちろん、その中には重要なものとそうでないものがあるでしょうが、最低これだけは満たしたい!という基準を決めておくことが、大事でしょう。
それは、自分たちがいい物件だと思える条件を備えてるなら、他にもそう思う人がいるからです。
他にもそう思う人がいるなら、それは価値が失われることは、おそらくないはず。

そして、それが相場的にどのくらいなのか。それを買うための頭金やローンはどれくらい必要なのか。予算を考えるのはそこからです。
当然そこには、どれくらい無理すればいけるのかとか、親からいくらか援助してもらえば、という算段も含まれるでしょうし、いっそのこと二世帯にしてとか、これを機会に転職をとかパートを始めるとか、いろいろ生活自体から変えていくことにもなると思います。だからこそ、現状での予算がすべてではないわけです。

ひょっとしたら、自分たちに必要な条件を備えた物件は、自分たちの返済可能額ではどうしても買えないとなるかもしれません。そのときは、あきらめるしかないでしょうね。
買える範囲だからと、欲しくもないものを無理に買う必要はありません。限られた人生を、価値があるかどうかわからないようなものに費やすような決断をしても仕方ないですから。

そんなわけで、住むために買うのなら、まずは必要な条件を決めるところから入ったほうがいいんじゃないかな、と思うのでした。
 

たまには看板に相応した内容を書こうと思って、今さらながらゲイカップルの場合の不動産の購入と所有の注意点をまとめておくことにしました。おそらく、多くの法的な結婚のできないLGBTカップルでも同じだと思いますが、思いもかけない例外があるかもしれないので、とりあえずゲイカップルとします。

まず、購入に際して、多くの場合ローンを組むと思います。しかしローンを組む場合には、たとえ頭金相当部分であっても、共有名義にはできません。ローンの貸倒時に所有関係が複雑になるのを、保証会社が嫌がるためです。
従って、住宅ローンを組んでの購入では、名義は一方だけとし、もう一方の支払いもあった場合の持ち分については、ローン完済時に名義を変更する等の書類を交わして、金銭貸借、あるいは非名義人の名義人からの部分購入資金の一部、としておくことが望ましいと思います。ローン支払い中の分担についても、非名義人から名義人への貸与あるいは購入のための分割払いとすることで、贈与などの税務上の問題もなくなります。

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次に住み始めてからですが、遺言書と遺言執行者指名を、相互に公正証書として登記しておくのがいいでしょう。
もし一方に何かあった場合、その財産の相続は一般的には親族になってしまいます。そうなると、残された方は家を出ていかざるを得なくなる場合があるので、相互に家の権利の相続者を相手としておくことが必要です。
さらに、これについて親族などの反対があった場合なども含めて、一般的な場合でも、遺産の整理には相続者全員の署名・捺印が必要になり、何かと面倒です。これが遺言執行者が決まっていれば、その人だけですべてを処理できるので、いわゆる「ハンコ代」のようなものを支払う必要もなく、スムーズに遺産の名義変更などが行えます。
上で書いた、ローン名義人でない側と金銭貸借の書類を交わしておくのも、相続の際に全てを遺贈として受けたことになると全部が課税対象となりますが、ある程度の実質持ち分あるいは貸与があれば、残余分だけの遺贈とできるからです。

また、死ぬというようなことまでいかなくても、片方が病床に就いたり、障害を持ったりした場合に備えて、任意後見人の指名も相互に文書で行っておくほうがいいでしょう。
これも、どちらかがそのようなことになった場合に、一般的にはその親族が入退院の手続きや生活費の支払いなどを代行することになります。双方がより望ましい生活を送るためにも、任意後見人として代行できる権限を相互に委任しておくことほうが安全です。

要するに、法的な夫婦であれば特に問題なく行える、共有ローンおよび所有権そして日常生活について、ゲイカップルの場合は別途手段を講じておくことが必要になるということです。
費用面では、遺言、遺言執行者指名、任意後見人指名の公正証書は、おそらく1種5万円~10万円くらいで可能だと思います(対象となる資産の額によっても変わります)。直接公証役場に行っても作成してくれるようですが、内容として盛り込みたいものが多岐に渡ったり、また細かく相談したい場合には、司法書士か行政書士に依頼するほうがいいでしょう。


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